ダイシモチ麦は、香川県善通寺市内の近畿中国四国農業研究センターが平成9年に開発したもち性の強い大麦(裸麦)で、善通寺にゆかりのある弘法大師に因んで、「ダイシモチ」と名づけられました。収穫時期の5月になると、その大きな特徴である紫色の穂が風にたなびき、畑一面が「紫色」に染まります。
ここで、「もち麦」についての説明ですが、お米に「うるち米」と「もち米」があるように、裸麦にも、「もち性」と「うるち性」があります。その違いはデンプンです。穀物に含まれるデンプンには、<パサパサした性質のもの>と<モチモチした性質のもの>の2種類があります。お米で説明すると、パサパサした性質のデンプンをたくさん含むものは外米に多く、ピラフなどに用いられます。
パサパサした性質のデンプンが少ないものは、「コシヒカリ」のように粘りがあるお米です。
そして、パサパサした性質のデンプンが全く無いものは、お餅に使う「もち米」です。
裸麦も同様で、パサパサした性質のデンプンを全く含まないものを、「もち性裸麦(=もち麦)」と呼んでいます。つまり、もち麦は、粘性が強いため、麦飯独特の「ぼそぼそ感」がなく、粘り(もちもち性)のある優れた食感を持っています。また、加熱調理すると、“冷めてもかたくなりにくく、食味がかわらずおいしい”、といった加工適性があります。
さらに、同じもち麦でも、品種によって特徴に違いがあります。「ダイシモチ」は、「かむと甘みがある」「食感がよい(もちもち・プリプリ)」「冷めてもおいしい」もち麦です。
ダイシモチ麦には、精白米の約30倍もの食物繊維が含まれており、生活習慣病の予防に効果があるといわれているβ-グルカン(水溶性食物繊維)が、とりわけ豊富に含まれています。
ご飯に1〜2割混ぜて炊くだけで、気軽にもっちりおいしい麦ご飯を食べることができます。